漢方の基本
漢方では、わたしたちのからだは、「気・血・水」の3要素によって構成されていると考えます。この気血水のバランスを維持することが健康にとって必要であり、足りないものは補い、過剰なものは取り除いて、過不足のない状態にもってゆくことが漢方治療の原則です。かたよりのない状態こそ、気血水のめぐりが最大限に発揮され、自然治癒力が一番高まります。
気血水のめぐりが止まると、そこに病気(症状)が現れます。
漢方では、病名で治療するのではなく、現れた症状により、気血水のどのめぐりが異常なのか?を判断します。
漢方の「気・血・水」

「気」(き)とはからだのエネルギー源のことです。
気は人間のからだの中をめぐっているもので、それがどこかで停滞すると、病気になったり、症状が出る、と考えます。

「血」(けつ)のことです。
血の流れが滞ると、「お血」を招きます。お血とは、血のめぐりが悪く、血液がドロドロになっている状態のことです。

「水」(すい)水分のことです。
食べ物や飲み物が体内で消化され、吸収される栄養分も「水」に入ります。 体内の水分には、血液中の水分や肌の保湿水分など体に利用される有益なものと、尿や汗などの体外に排出されるべき利用できない水分の2種類があります。この不必要な水分がうまく排出されずに体内に溜まってしまうと「水毒」となって体に悪影響を与えます。

4つの診察法~人間の五官に頼る診察
多くの症状を的確に判断するために、漢方では、下記の4つの方法で診察します。

望診(ぼうしん)
患者を望み見て、血色、体つきの強弱、舌の状態などから診察します。

聞診(ぶんしん)
声,咳,呼吸音などの音を聞き,さらに口臭や体臭の匂いなどにより診察します。

問診(もんしん)
患者の話を聞き、また本人の自覚症状などから診察します。

切診(せっしん)
患者の体に直接触る方法で,脈やお腹の状態を見るなどして診察します。

薬食同源・・・五味は五臓を養う
中医学では、食物をその働きによって五味に分類しています。五臓を養う五味は、過不足になると逆にその臓腑を悪くします。また、食べ物には同じ味の中にも体を冷やすもの、温めるもの、どちらにも片寄らないものがあります。
五味と五臓のつながり
赤色は、「温熱性の食べ物」(体を温める:元気をつける)
青色は「寒涼性の食べ物」(体を冷やす:鎮静作用)

「酸味」は、血液の流れをさらさらにする作用があります。
酸っぱい食物は、「肝」を養います。肝は目、筋に反映します。肝は血を貯え、血流量をコントロールしてして、また、精神の調整をはかる働きもあります。

酢・モモ
レモン・ミカン・ゆず・トマト
青梅・りんご・ぶどう・
ヨーグルトなど

「苦味」は、炎症をおさえる作用があります。
苦い食物は、「心」を養います。
心は舌、顔色に反映します。

らっきょう・コーヒー
ごぼう・たけのこ・ビール
ぎんなん・クロレラ

「甘味」は、調和、補う作用があります。
甘い食物は、「脾」を養います。
脾は、消化吸収や栄養物、水分を全身に運びます。

牛肉・鶏肉・エビ・かぼちゃ
レンコン・ハモ・ナマコ

バナナ・みかん・大根・きゅうり
なす・ほうれん草・にんにく(加熱)

砂糖・ハチミツ・豚肉・大豆

「辛味」は、発散作用と循環をよくし温める作用があります。
辛い食物は、「肺」を養います。肺は、皮膚、鼻に反映します。

とうがらし・にら・わさび・酒
コショウ・山椒・にんにく(生)

大根
かぶら・さといも

「鹹味」(塩辛み)は、ものを和らげ、潤す作用があります。
塩辛い食物は、「腎」を養います。腎は骨に反映します。腎は、成長、発育、生殖、知能、老化に関わり、体液の代謝を調整します。

牛肉・鶏肉・エビ・かぼちゃ
レンコン・ハモ・ナマコ

バナナ・みかん・大根・きゅうり
なす・ほうれん草・にんにく(加熱)

砂糖・ハチミツ・豚肉・大豆
これらの五味は、それぞれが五臓につながっているだけでなく、

酸味には甘味、甘味には鹹味、鹹味には苦み、苦みには辛味、辛味には酸味

制御しあうことによって、互いの行き過ぎを防ぎ、バランスを保っています。
自分の体質に合わせて、バランスよくとるように心がけましょう。